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技術スタッフによるコラム

特別掲載:2021年学会賞

「学会賞 技術賞を受賞して」

㈱マルシン 近藤

この度は日本建築仕上学会学会賞技術賞を頂き、身に余る光栄に存じます。ご推薦いただきましたアルミニウム合金材料工場塗装工業会(ABA)関係各位の皆様や日本建築仕上学会の選考委員の方々に厚く御礼申し上げます。特にものつくり大学近藤名誉教授には受賞に際しても、またこの受賞理由に関する様々な場面でも多くの指南を頂きまして、この場をお借りして御礼申し上げます。

受賞に際し、弊社における金属材料に対する工場塗装における品質確保や環境配慮の推進やそれらの業界への普及活動に関しましてご評価を賜りましたこと大変うれしく、感謝申し上げます。弊社は1966年に主に装飾金物や店舗用の什器の塗装をメインに操業を開始しましたが、1980年代に各工場にアルミニウムや鉄など各金属材料に対する化成処理設備導入したのちは建材製品への塗装を増やしていき、更に品質向上に磨きをかけてまいりました。前代表が掲げた「今日より前へ」のチャレンジ精神は脈々と受け継がれ、今回の受賞もその延長線上に頂いた賞だと思っており、手前味噌ながら弊社の歴史に関わったすべての方達にも感謝を申し上げます。

小職がこの業界に転身した際には既に建築用アルミニウム合金への溶剤系塗料には標準となるべく仕様書が出ておりました。これは各業者・メーカー・ゼネコン・監理者・設計者ごとにバラバラだった品質や工程管理を一定のレベルで標準化したものとして画期的なものであります。弊社でもこの標準仕様書を遵守するべく体制を敷いておりますし、業界各社の理解も深まってきたと思います。更に2020年秋には弊社でもクロムフリー化成処理設備を本格導入し、着々と環境配慮形塗装の普及を進めております。しかし環境配慮形塗装仕様のもう一翼を担う、ヨーロッパや日本でも工業分野を中心に台頭してきた粉体塗料は建築分野での浸透が遅く、2018年にようやく発刊された『建築用アルミニウム合金材料 粉体塗装標準指針・同解説』は非常に長い年月や研究を経て世に送り出された産物であるものの、業界への普及はいまだ道半ばです。直接的には編纂には関わらなかったものの、その誕生を間近に見ていた小職にとって、その普及展開は未来の子供に対する大人の責任だと強く実感し、小職が専務理事を務めるアルミニウム合金材料工場塗装工業会でも粉体塗料に関する多くの話題を取り上げております。また、小職が委員を務めているヨーロッパの塗装品質規格「QUALICOAT」の技術委員会などに参加するたびにもその普及への想いを更に強くするばかりです。今回の受賞は塗装における品質確保と環境配慮を今より強力に推進するよう、賞に推薦していただいた方や団体からの小職への叱咤激励と受け止めており、よりその普及推進に邁進する次第でございます。

最後になりますが、この度は誠にありがとうございました。

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