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技術スタッフによるコラム

特別掲載:2025年学会賞

「学会賞 技術賞を受賞して」

(株)日本電気化学工業所 倉智亮吉

このたび、日本建築仕上学会 学会賞 技術賞を賜り、誠に光栄に存じます。技術賞にご推薦いただきましたアルミニウム合金材料工場塗装工業会(ABA)の皆様をはじめ、これまで長年にわたりご指導賜りました ものつくり大学の近藤名誉教授、ならびに日本建築仕上学会の選考委員の皆様に、心より厚く御礼申し上げます。

今回の受賞にあたり、アルミニウム合金材料に対する陽極酸化皮膜処理による素地調整技術の確立と普及展開、ならびに工業会発展への貢献をご評価いただきましたこと、深く感謝申し上げます。

弊社は1935年に祖父が創業して以来、アルミニウム合金材料の陽極酸化皮膜処理(アルマイト処理)の専業会社として、今年で90周年を迎えます。創業当初は、器物や家電、軍需部品など、主に小さな部材の表面処理を行っておりましたが、1964年の東京オリンピック開催以降、建築用長尺品や大型パネルなどの需要が急速に高まりました。これに応えるべく、大型量産設備を用いた陽極酸化皮膜処理に加え、皮膜上へのクリヤ塗装、さらには電着塗装や素地調整として6価クロメートによる焼付塗装など、高度成長期の市場ニーズに応える新技術に積極的に取り組み、さまざまな提案を行ってまいりました。

その中でも、1984年頃より、塗装における素地調整として6価クロメートの代替として、陽極酸化皮膜処理を活用する提案を開始しました。1990年代前半には、大型ビル案件で素地調整用アルマイトが採用されたことを契機に、多くの実績を重ねてまいりました。また、時代の流れとともに人体および環境への有害物質の排除が求められるようになったことを受け、2004年に6価クロメートを全廃。その頃より、陽極酸化皮膜による素地調整がようやく広く認知されるようになりました。さらに、2006年からは陽極酸化皮膜を素地調整に用いたVOCを発生させない粉体塗装にも取り組み、環境に配慮した塗装仕様の普及を推進しております。

日本建築仕上学会では、2006年に発足した焼付塗装環境保全研究委員会より現在の環境配慮型塗装普及展開委員会に至るまで委員として参画し、とくにアルミニウム合金材料の素地調整における陽極酸化皮膜処理活用について、「建築用アルミニウム合金材料 加熱硬化形溶剤系塗装標準仕様書・同解説」および「粉体塗装仕様標準指針・同解説」の作成・発行に携わらせていただきました。さらに、2014年のアルミニウム合金材料工場塗装工業会(ABA)の創立以来、微力ながら工業会活動にも貢献させていただいております。

今後も、アルミニウム合金材料工場塗装工業会(ABA)の会員企業の皆様とともに、建築用アルミニウム合金材料の工場塗装分野において、硬化塗膜の品質と耐久性の確保および環境に配慮した表面処理技術のさらなる発展に貢献できるよう精進してまいる所存です。引き続き、皆様のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

最後になりますが、日本建築仕上学会ならびに関係者の皆様のますますのご発展を心より祈念し、受賞のご挨拶とさせていただきます。

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