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読みものと技術指針

2020年秋の叙勲「瑞宝単光章」を受勲して
(文:office OHSAWA 代表 大澤 悟氏)

この度、2020年11月3日(火)付けて発表された秋の叙勲において、政府(内閣府)から身に余る「瑞宝単光章」の栄を拝受いたしました。

本件について、アルミニウム合金材料工場塗装工業会(ABA)殿から執筆依頼を頂き、その経緯について以下に報告いたします。今後の皆様方のご参考になれば幸いです。

今回の私の叙勲対象となった功労は、厚生労働省(以下、厚労省)が実施している技能検定(技能士)に対する受勲であり、1級・2級等の技能士試験委員会への貢献でした。すなわち、日本における多種多様な職業人の能力評価に関する技能検定は、厚労省人材開発統括官所属の特別民間法人「中央職業能力開発協会」(以下、中能協)が実施しており、その中能協の建設関係の防水施工において、20年以上に渡り「シーリング防水」(中央検定委員会:竹中技研の前任者からの引継ぎによる委員)の検定委員を今日まで継続して務めたことが評価されました(この間、JASS8防水工事のシーリング防水改定委員・主査を務め、2012:中央職業能力開発協会会長表彰、2015:厚生労働大臣表彰)。まさに、継続は力なり・評価は後から付いてくる・・・の思いです。

閑話休題、今回の叙勲への道程は、2020年1月に「中能協」担当者から、2020年秋の叙勲候補者として「厚労省」に推薦したいとの連絡があり、その際に依頼された「戸籍抄本」を原住地である区役所に2部(内閣府と厚労省へ提出用)依頼したことから始まりました。その時点では、候補にしていただけるだけでも大変ありたいことだと思いました。すなわち、国の一般的な叙勲(旭日章及び瑞宝章)対象者は、政治家・教育者・医療防災地域従事者や、民間大規模経営者達、さらに身近な叙勲者としては防水・塗装等の個人事業者(政治的に力のある母体からの推薦)といった方々でした。従って、民間会社に所属していた我々サラリーマン(特にゼネコンの研究者)には全く縁遠い世界と思っていましたが、「中能協」での20年以上に渡る継続した委員会活動が「みなし公務員」として評価いただき、公務員対象の瑞宝章受勲に至ったものと思っております。最も、叙勲までの厚労省(内閣府)とのやり取りは、「中能協」担当者にて、審査票・功績調書・履歴書・事業所概要調書等を作成いただき、当方はその資料の内容確認・整合性等をチェックするのみでの状況対応であり、推薦者である「中能協」担当各位に大変感謝しております。

以上の経過を踏まえて、2020年10月末に「中能協」から内定の連絡があり、11月3日(火)に新聞全国各紙にて発表がありました。

この叙勲のセレモニーは、本来であれば、皇居での天皇拝謁式典として開催され、燕尾服を着て夫婦にて参加できるはずでしたが、コロナ禍によりすべて中止となり、「厚労省」から「勲記」「勲章」(写真参照)が宅配便にて送られてきて、今回の式典は終了となりました。従って、受勲の実感がありませんでしたが、頂いた「勲記」を紐解いてみると、【日本国天皇は 大澤悟に瑞宝単光章を授与する・・・内閣総理大臣 菅義偉・・・】と記載されており、身の引き締まる思いになるとともに、事の重大さに気付かされました。

「勲記」「勲章」

また、新聞発表以降には、元所属先である「竹中」技術研究所所長や担当役員達の他、区長や関連する大学・学会・工業会・製造所等から祝電・祝品等を賜りましたが、最も驚いたのは、このような祝席を生業としている業者・ホテルからの多くのダイレクトメールや直接の訪問営業、全く面識のない片山さつき氏を始めとする衆参国会議員からの祝辞でした。

また幸いなことに、多くの関係者の皆様から祝典のお誘いを頂きましたが、コロナ禍と自分自身の状況(基礎疾患保有の高齢者)により、すべて自粛の状態です。さらに、内閣府からは前述の叙勲セレモニーの代替として、1月末の皇居見学が企画されましたが、国の緊急事態宣言を受けて延期となっています。

以上、今回の「瑞宝単光章」受賞に関する雑感を報告しました。いずれにしても、現状のコロナ禍が落ち着いた世の中になることを、皆様と一緒に祈るばかりです。

最後に、今回の報告の機会を頂きましたアルミニウム合金材料工場塗装工業会(ABA)殿に感謝するとともに、これを機に特に高齢者としての日々の健康に留意しながら、さらに世間に役立つ貢献を目指して精進して参りますので、今後も変わらぬ皆様方のご指導・ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

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