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技術スタッフによるコラム

特別掲載:2015年学会賞 ①

技能賞「受賞雑感」

宮越工芸(株) 中野義信

栄えある賞をいただきましたこと、誠にありがとうございます。この場をお借りして、関係各方面の方々にお礼を申し上げます。ところで、賞を頂きながら不謹慎なのですが、賞をいただいて困ったことを最初に白状いたします。なんだ、そんなことかと思われるかも知れませんが、実は、当原稿の執筆にずいぶん悩まされてしまいました。

学会から、受賞の案内とともに原稿執筆の意思を確認する書類が届き、何れかにチェックをお願いしますと書かれた「執筆します」の文字が、「執筆しません」の文字に比べ数倍大きく書かれています。「うーむ。賞をいただくだけというわけにはいかないな。」と、執筆しますに大きなチェックを入れてしまいましたが、日が経つにつれ、さて何を書いたものかと、頭の中をいろいろな思いがめぐります。

推薦していただいた所属団体ABA(アルミ二ウム合金材料工場塗装工業会)の紹介や日本建築仕上学会の委員会活動を通じてご指導いただいた先生や諸先輩方への感謝などについて書こうとしたのですが、積み重ねた過去への想いが不器用な私には大き過ぎて文章にならず、日ばかりが経過してしまいました。

さて、私の経歴は、ABAホームページの活動報告及びお知らせの、受賞に関する二ュースの中でも簡単に触れられていますが、富山の地で、大学を卒業後、アルミ二ウム合金材料へ加熱硬化形塗装を行なう会社に入社しました。出身は山口県で、実家には、88歳になる母親がひとりで住んでいます。

その母に電話で受賞の報告をしたところ「おめでとう。親孝行じゃね。ありがとう。」と受話器の向こうで母が喜んでくれました。実際のところ、母は、賞の内容をまったく理解していないと思うのですが、母の喜んでくれる声を聞いて、初めて心の底からうれしい気持ちがわいてきた次第です。

最後になりますが、日本建築仕上学会の益々のご発展を祈窓いたしまして感謝の言葉にかえさせていただきます。

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