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技術スタッフによるコラム

特別掲載:2016年学会賞

「学会賞 技能賞を受賞して」

(株)日本電気化学工業所 長谷川太一

この度、日本建築仕上学会 学会賞 技能賞を頂き、大変有り難く光栄に存じております。技能賞に推薦いただきましたアルミニウム合金材料工場塗装工業会(ABA)の皆様並びに日本建築仕上学会の選考委員の方々に厚く御礼申し上げます。

受賞に際し、建築用アルミニウム合金材料の工場焼付塗装に対する素地調整として陽極酸化皮膜の有用性をご評価いただき、感慨深く感謝いたしております。

弊社は、アルミニウム合金材料の表面処理専業者でございます。一口にアルミニウム合金の表面処理と申しますが、めっき、陽極酸化や溶射等多岐にわたっております。そのうち、弊社は陽極酸化処理を専門に昨年80周年を迎えました。この年月の間にお客様のニーズにお応えするため、様々なご提案を実施してまいりました。これらのひとつに、約四半世紀前に陽極酸化皮膜を塗装の素地調整に使用することを試みました。
当時の素地調整は、化成皮膜(クロメート)処理がほとんどを占めておりましたので、多方面において大きな抵抗を受けました。このような状況のもとで、試行錯誤を繰り返しながら実績を重ねてまいりました。また、時代の変遷とともに人体及び環境への有害物質の不使用が叫ばれ、20年前頃からようやく陽極酸化皮膜が塗装の素地調整として認知されてまいりました。近年では、学会発表においても陽極酸化皮膜素地調整の有用性がご報告されてまいりました。これらは、諸先輩方々の努力の賜物と思っております。

最後に、上述のような経緯で小生が受賞させていただくのは誠に心苦しい限りではございますが、今後は受賞させていただいたことに恥じないように、諸先輩方々がこれまで培ってこられた技能や知識の継承に努め、塗装業界において少しでもお役に立てるよう、一層努力してゆく所存ですので、今後とも引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

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