《スチールドアと粉体塗装のコラボレーション》
粉体塗装とスチールドア、この組合せを早くから模索していたわけであるが、ネックを抱えていた。それは扉の重量がかなり重いことである。粉体塗装の焼付けにおいては160~ 200℃位まで扉の表面温度を上げないといけないが、重量があると熱容量が大きくなり、十分に温度が上がりきらずアンダーベークとなってしまう。ラインスピードを落とせば何とかなることもあるが、生産性が大幅に落ちる。頭が痛い問題であった。
環境対応型高品質焼付け塗装システムの日本における展開について(文:野平修氏)*
Chapter 7
─ 3Wシャッター YAGドア ─
ドア製造・施工: 3Wシャッター工業 ドア粉体塗装: カドワキカラーワークス
粉体塗装とスチールドア、この組合せを早くから模索していたわけであるが、ネックを抱えていた。それは扉の重量がかなり重いことである。粉体塗装の焼付けにおいては160~ 200℃位まで扉の表面温度を上げないといけないが、重量があると熱容量が大きくなり、十分に温度が上がりきらずアンダーベークとなってしまう。ラインスピードを落とせば何とかなることもあるが、生産性が大幅に落ちる。頭が痛い問題であった。
3Wシャッターエ業が開発したYAGドア。鉄板厚みが従来品の1.6mmと比べ1.0mmと薄い。中骨との接合にはVHBテープを使っているため、従来必要とされる扉表面の穴部溶接とサンダー掛けの手間がかからないばかりかフラットネスが確保できる。粉体塗装にとっては、扉の重量が軽くなるので容易に昇温ができ、アンダーベークが起こりにくい。サンダー掛けがないので、鉄パテ処理等が不必要になる。この軽さ、平滑度は、まさに粉体塗装のために生まれてきたと言ってもいいようなスチールドアである。ベストカップルの誕生である。
バックヤードに使われるスチールドアだけでなく、グラデーション+鏡面仕上げ、錆調、エージング、スパークル・ホワイトリンクルといつたカスタム塗装の分野との組合せで、建物の顔となるエントランスや口ビーホールでYAGドアとは出会いたいものである。
*野平修氏 野平外装技術研究所代表 元鹿島建設建築本部技師長