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環境対応型高品質焼付け塗装システムの日本における展開について(文:野平修氏)*

Chapter 4

鋼製カーテンウォールヘの粉体塗装仕上げ

─ AKBビル ─

AKBビル全景

施主: S社 設計: 鹿島建築設計本部 施工: 鹿島東京建築支店 カーテンウォールメーカー: ヤマキエ業

《オーナーの要望 ― フロアツーフロア》

このビルのオーナーの外装に対ずる要望が、「窓面全面をショーウィンドウにしたい!」とのものであった。それは、A社のスーツ等の商品を窓際に陳列することでカーテンウォールを大きな広告塔に見立てるということであった。

《立ちはだかる法律の壁》

ところが、丁度その頃、国交省からはカーテンウォールの構造方法について技術的助言がでていて個別対応が必要となった。このビルは延焼の恐れのある部位があり、防火設備対応が不可欠であった。アルミカーテンウォールでは、防火設備認定品のアルミサッシを組み込まざるを得ず、どうしても無目材という横材を流す必要が出てきた。勢いフロアツーフロアのデザインを断念せざるを得ない。そこで、そのような適用を受けない鋼製カーテンウォールの採用へとシフトしたのである。当然防錆力を有する焼付け塗装が必要となった。

カーテンウォールのアップ

カーテンウォールのアップ

高耐候性ポリエステル粉体塗装

高耐候性ポリエステル粉体塗装

防火設備対応時のアルミカーテンウォールの場合の納まり

防火設備対応時のアルミカーテンウォールの場合の納まり

《フロアツーフロアのカーテンウォール》

昔はアルミでも実現できた。しかし今は法律の壁がある。と言って、施主、設計者の窓面積を出来るだけ大きく取り開放的にしたいという要求は減少することはないであろう。こんな葛藤が生ずる昨今、鋼製カーテンウォールと高耐候性ポリエステル粉体塗装とのコラボレーションは益々増えていくものと思われる。そんな折、タイガー社の防錆用粉体、ドライプロテクトの存在も大変意義が大きい。

*野平修氏 野平外装技術研究所代表 元鹿島建設建築本部技師長

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